お針子蜂の巣

手仕事と防災の記録

  わたつむぎばこ 撚り合わせ

前の日記の続きです。

プーニー3本分の糸をピンチに移した後、
残りの3本をまたスピニットで紡ぎます。


今度は糸をピンチには移さず、スピニットに巻いたままにしておきます。

単糸を巻いた最初のピンチは、コップなどのある程度の重さがある
容器に入れて、それぞれの糸端を合わせて持ちます。

スピニットの円盤を箱近くまで下げておくと
糸を引いたときに勝手にどんどん回ってしまうのを多少防げます。



2本の糸を一緒にもう1つのピンチに巻いていきます。
2本のテンションが同じになるように気を付けて引っ張ってください。
長く合わせると巻きにくいので、20センチほど揃えたら
ピンチに巻き取る、また20センチほど揃える、の繰り返しです。

撚りが多くてネジネジしている部分は、できる範囲で伸ばしながら
巻いていってください。

撚り合わせのためにこのように玉に巻いたものを
plying ballと言います。
外で糸紡ぎをすることの多いアンデスの方では
この方法で羊毛を撚り合わせるのが一般的だそう。

2本ともピンチに巻いてしまって、
2つのピンチからそのまま撚り合わせていくこともできますが
この方法は慣れていないと、撚り合わせながら糸が絡まったりするのを
直さないといけなくていろいろと面倒なのでお勧めしません。



2本の糸の長さが揃っていることは滅多にありません。
長い方の残りの糸を無駄なく使う方法があるのですが、
ここでは割愛します。
(手紡ぎ経験者でアンデスプライができる方は、
長い方を左手に巻いていってアンデスプライしてください。)

糸は、短い方に合わせて切ってしまってください。
残った方の糸は厚紙などに巻いて、またあとで使ってください。



プライングボールのできあがりです。

プライングボールにする過程で、多少撚りを均等にできますし
何より撚り合わせが本当に楽なので、スピンドル紡ぎに
慣れている方にもお勧めですよ。
ただし、細めの糸を長く紡いだ場合はとても大変ですが(;^_^A



プライングボールを再びコップなどに入れて、スピニットを穴にセットします。
糸端を20センチほど引き出して、今度は最初と逆(自分から離れていく方)に
2本の糸を一緒にねじります。

撚りがどの程度入ったか目でよく確認して、
しっかりした糸になっていたら軸に巻き取ります。
撚り合わせでは、スピニットを時計と逆回りに回すので
単糸を紡いだときとは反対に巻き取ります。



引き出して、撚り合わせて、巻き取る
引き出して、撚り合わせて、巻き取る



実は私は、撚り合わせるときはスピニットを箱にはセットせず
普通のドロップスピンドルのように使います。
なぜかと言うと、指で時計と逆回りに軸を回すのが速くできなくて
撚り合わせに時間がかかってしまうからです。

写真のようにフックに糸をかけてドロップスピンドルとして使うと
太ももの横でスピンドルを回せてたくさん回転をかけられるのです。

正解はありませんので、いろいろ試してご自分の好きな方法を
見つけてくださいね。



プーニー2本分(みなさんは6本分)の糸

次はこれを綛(かせ)にします。



綛上げにもいろんな道具や方法がありますが
少ない綿で短めの糸を紡いだときは、本を使うのが簡単です。

スピニットの円盤を外して箱にポンと入れて作業すると楽です。
できた糸を本に巻き取っていきます。



全部巻けたら糸端同士を結びます。
今回はたまたま丁度いい長さで糸が終わりましたが
たいていはどちらかが長くなります。

その処理方法もいろいろですが
ここでは説明しきれないので、長い方は切ってしまってください。



一度交差させてから、どちらかの糸を糸束を巻くように一周させます。



どんなふうに結んでもいいですが、あとで解きやすいように結びましょう。



結べたら本から外して、もう一か所結びます。
一周が1メートル以上の大きな綛にするときは3、4か所結びます。
この綛は糸量が少ないのであまり絡まる心配はないですが
結ぶときは写真のように八の字に結ぶようにします。


本の他に、椅子の背もたれや脚、自分の足などが使えます。
手と肘を使っても巻き取れますし、小さめの家具なども利用できます。

ダンボールわたつむぎばこの説明では、箱を綛上げに使っていますが
木製わたつむぎばこではやらない方がいいと思います。
表面がすべすべしていないので、糸が切れる可能性大です。



2、3か所結んだら綛をねじります。
写真を撮ってくれる人がその辺にいなかったのでこんなふうにしましたが
両手の人差し指を綛に入れてネジネジすれば大丈夫です。



人差し指を外したら、片方の輪にもう片方を入れて
ねじれを整えたらこうなります。

手紡ぎ糸の完成です!
おめでとー!



「あら、穴が2つあるのに、1つしか使わないじゃない?」と思った方、
ダンボール製のわたつむぎばこの方に写真があるので
そちらを見てくださいね。

穴が2つあると、2人で一緒に紡いだり
2本のスピニットから同時にプライングボールを巻いたり、
あるいは2本のスピニットから直接撚り合わせたりできちゃうのです。

そのためには追加で軸を購入しなければいけませんが
たくさん紡ぐ方は何本かあるといちいち玉に巻かなくて済んで便利ですよ。
お針子蜂の巣では、軸を3種類(竹製18センチ、35センチ、
金属製20センチ)ご用意しています。

円盤が2枚ありますが、たくさん紡いでスピンドルの回転が悪くなったら
もう1枚足してあげるとまたよく回るようになります。

スピニットは元々はドロップスピンドルですが
アートヤーンも紡げるそうです。
私は、太い糸はフックから外れやすいので
スピニットで紡ぐのは好きではないのですが
35センチの軸があれば太い糸もたくさん巻き取れますので
編物用のウール糸を紡ぎたい方は35センチ軸を追加することをお勧めします。


できあがった糸を染めたり編んだり織ったりするには
また別の工程を踏まないといけないのですが
それはまた別の日記に書きます。


※ インスタグラムに動画を入れましたので、よかったら観てください。
  https://www.instagram.com/oharikobees/